上原note
2022.03.09
合意解除による贈与の取消があった場合の取り扱い
「不動産を贈与し、登記も完了したのちに、合意解除をしたい」という相談をいただきました。
この合意解除があった場合に気になるのは贈与税の話です。
合意解除に伴う贈与は贈与税が課されるのか、あるいはそもそも合意による解除なのだから贈与税が課されることがないのか、疑問に思うところではあります。
この点につきましては、通達があり基本的には贈与税が課されることになります。
いったん贈与が有効に成立していますので、その解除は特段の事情がない限り贈与があったことになるからです。
ただし、税務署長は、次のような場合には当該贈与はなかったものとして取り扱うことができるとされています。
- 贈与契約の解除が当該贈与のあった日の属する年分の贈与税の申告書の提出期限までに行われたものであること。
- 贈与契約に係る財産が、処分、担保物件など処分の目的とされていないこと。
当初の贈与の申告期限までに解除が行われ解除の登記も完了していることが要件です。
其の他、贈与財産が担保に入っているなどの処分がなされていないことも必要です。
いずれにしても、合意解除は大きなリスクが伴います。
安易に贈与し、その後、解除するなどのことのないように注意したいものです。