認知症の相続人がいたらどうする~相続前にしておくべきこと
相続人に認知症の人がいる場合「成年後見を避けられるかどうか」が重要なポイントになります。
相続開始時にすでに相続人の判断能力が不十分な場合は、成年後見を避けることが難しいケースが多いため事前の対策が重要です。
成年後見を回避できる可能性がある方法は、次のとおりです。
1. 遺言書を作成しておく(最も有効)
被相続人が元気なうちに有効な遺言書を作成しておけば、遺言どおりに財産を承継する場合は、遺産分割協議が不要となることが多く、認知症の相続人がいても成年後見人を選任せずに手続きを進められるケースがあります。
なお、遺言作成時には遺言執行者を必ず選定しておきましょう。
2. 家族信託を利用する
親が認知症になった場合に備え、元気なうちに家族信託を設定しておけば、受託者が財産管理や運用を継続できます。ただし、家族信託は親(委託者)の認知症対策には有効ですが、相続人自身が認知症になった場合の解決策にはなりません。
3. 遺産分割協議をしない方法を選ぶ
相続人全員が法定相続分どおりに相続し、そのまま共有で登記するなど、遺産分割協議を必要としない方法が取れる場合があります。
ただし、不動産が共有となるため将来の売却や管理で問題が生じやすく慎重な検討が必要です。
4. 判断能力があるうちに協議を終える
認知症と診断されていても、判断能力が十分にある段階であれば、遺産分割協議が有効となることがあります。
ただし、後日争いになる可能性もあるため、医師の診断書など客観的な資料を残しておくことが望まれます。
5. 実務で最も多いケース
- 実際には、親が認知症になる前に遺言書や家族信託で対策しておく。
- 相続人が認知症になってしまった場合は、成年後見人を選任して手続きを進める。
というケースが大半です。
認知症になってからできる相続対策は限られています。
認知症になる前の準備が、最も有効な相続対策です。早めの着手をおすすめいたします。


















