上原note
2021.12.28
共有物の分割
相続した土地を兄弟で各1/2共有しているようなケースがあります。
共有土地については、兄弟の子供の代になると共有地が相続され権利関係がとても複雑になります。早い段階で分割を行って、区分所有にしておきたいものです。
その際に効果的な取り扱いが共有地の分割です。
所得税法基本通達33-1の7(共有地の分割)では、共有地の持分に応ずる現物分割があったときは、その分割による土地の譲渡はなかったものとして取り扱う。とされ、分割後の面積比が異なる場合であっても、価額比がおおむね等しいときは共有持分に応ずる現物分割に該当するとされています。
しかし、価額比がおおむね等しいと言えない場合には、土地の譲渡があったものとして取り扱われます。仮にそのような場合でも、所得税58条(固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例)の各要件に該当する場合には、この特例を適用して譲渡はなかったものとして扱うことが可能です。さらに、所58条の適用もないとすると、譲渡所得税が生じることになります。
共有地の分割と交換は似て非なるものですが、交換の場合には土地の譲渡にあたり、共有地の分割は譲渡はなかったものとされます。不動産取得税、登録免許税、税務申告の面で違いが生じてきます。
共有地の分割の場合には土地の価額比をよく調査して譲渡はなかったものとされる分割がのぞまれます。そもそも、自身の所有する持分に応じて共有所有から単独所有になったに過ぎないのですから。