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不動産対策

遺言・遺産分割の前に

相続人に関すること

被相続人父A 長男B 次男C

相続時の状況

父A被相続人、母はすでに死亡しています。相続人は長男B次男Cの2人です。不動産は90坪の土地に自宅部分50坪(2000万円)とアパート部分40坪(2000万円)があり、金融資産4000万円、長男Bは父と同居していました。次男は別生計で独立しています。父は生前に自宅は長男に、アパートは次男に、金融資産は2人で1/2という内容の遺言を残していました。

相談者Cの質問

長男Bからの相談です。兄弟2人のことを平等に扱ってくれ父にはとても感謝しています。弟も異論はなく早速そのようにして分割し申告と登記をしようと思いました。ところが、不動産の公図、建築計画概要書を見てみると(A図)のような図面になっています。土地は30番40坪と31番50坪の二筆になっており、自宅50坪部分が両方の地番の上に建っています。アパート部分の土地は40坪ですが地番31番の一部を使用しています。このままでは、遺言どおりの登記はできないと司法書士の先生から言われてしまい困っています。

(A図)

問題点の抽出提案

① 相続税の申告の上では自宅の50坪部分とアパートの40坪部分をそれぞれに評価して、自宅部分は自用地、アパート部分は貸家建付け地として評価することが可能です。

② また、長男B、次男Cがこのままで使うのであれば実際の不都合は生じないかもしれません。実際上は遺言通りに使用ができていくことになります。

③ しかし、登記はもちろんですが、将来、担保に入れる、建て替えを行う、土地を売却するなどの場合には、このままの地番では不都合が生じてしまいます。譲渡の時になって次男が分筆に応じてくれるかどうかは何とも言えません。

④ 遺言の段階で(A図)から(B図)のように分筆して地番30の40坪と地番31-2の10坪を長男に、分筆後の地番31の40坪を次男に相続させるという遺言を書くべきでした。

(B図)

⑤ (B図)のようにして相続すれば、長男、次男はそれぞれに単独で登記もできますし、建て替え、譲渡の際にも問題なく行えることになります。

⑥ 分筆するには測量や登記費用などもかかりますが、(A図)のような所有になってしまっては利用価値の著しく低い土地になってしまいます。

解決できた事項

① 相続から時間がたっておらず、相続登記の段階でしたので、次男は快く分筆に応じてくれました。次男の相続する不動産がアパートであったことも幸いでした。

② 遺言を書く場合にはその利用価値を考えて書くことが必要です。単に、現状の利用状況や面積割で書いてしまってはトラブルの原因になりかねません。

③ 不動産謄本、担保状況、地積測量図、地図、建築計画概要書、都市計画などを検討しながら、相続した人が有効に利用できる単位で相続させることが必要でしょう。

④ これらの調査は専門家が行って適切な助言を行い、遺言作成を支援する必要があると思います。また、すでに遺言を書かれている場合にはご確認されることをお勧めいたします。

解決事例カテゴリー
相続税申告事業承継遺言不動産対策家族信託相続トラブル
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