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相続放棄申述書の書き方やポイント、提出すべき必要書類について

相続放棄を行う場合には、家庭裁判所で申述の手続きを行わなければなりません。その際に提出する書類が「相続放棄申述書」になります。

今回は相続放棄申述書に焦点を当てて、書き方やポイントを徹底解説させていただきます。なお、相続放棄の手続き自体についてお知りになりたい場合は、併せて次の関連記事を是非ご一読ください。

【関連記事】相続放棄手続きの方法や費用・期間についてわかりやすく解説

1.相続放棄申述書とは

相続放棄申述書とは、家庭裁判所へ相続放棄の申述を行うために提出する書類になります。

【出典】相続放棄申述書|裁判所

1-1.入手方法

相続放棄申述書の書式は次の方法で入手することができます。

  • 家庭裁判所へ直接行って貰う
  • 裁判所のホームページより相続放棄申述書の書式をダウンロードする

ダウンロードによる方法が簡単でおすすめですが、ネット環境がない場合などには最寄りの家庭裁判所で貰うことができます。書き損じに備えて複数枚コピーしてから書き始めると良いかと思います。

申述人の年齢20歳を境に記入方法は異なりますが、書式自体は変わりません。相続放棄申述書の書き方については、次項から具体的にご紹介いたします。

1-2.一緒に提出すべき必要書類と費用

相続放棄申述書には次の書類も一緒に添付し裁判所に提出します。

  • 被相続人の戸籍謄本
  • 被相続人の住民票または戸籍の附票
  • 相続放棄をする人の戸籍謄本

また、相続放棄申述書に貼付する収入印紙800円と、裁判所との連絡用郵便切手代が必要になります。

郵便切手代は申述先の家庭裁判所によって異なりますので、事前に確認されてください。ほとんどの場合で数百円程度になります。

2.相続放棄の申述書の書き方と記入例

それでは具体的な書き方を、裁判所の記入例に沿ってご紹介いたします。

用紙は2枚で、記載内容はシンプルですので決して難しいものではありません。

【以下記入例の出典】相続の放棄の申述書(20歳以上)相続放棄の申述書(20歳未満)|裁判所

2-1.申述人の署名・押印

【申述人が20歳以上の場合】           【申述人が20歳未満の場合】

申述先の家庭裁判所名、作成年月日、申述人(20歳未満の場合には法定代理人)を記入し押印します。

作成年月日は提出年月日でも構いません。

法定代理人を記入する場合には、上記サンプルのように申述人の氏名の上に「○○の法定代理人」と記入します。

押印は実印ではなく認印でも大丈夫です。

2-2.申述人・法定代理人・被相続人について

【申述人が20歳以上の場合】            【申述人が20歳未満の場合】

申述人、被相続人の情報を取得した謄本などからそのまま記入します。申述人が20歳未満の場合には法定代理人の欄も記入してください。

2-3.申述の趣旨・理由

書式の2枚目になります。

こちらは、申述人が20歳以上であるかどうかによって記載内容は変わりません。

申述の趣旨

申述の趣旨は元々印字されていますので、そのままご利用いただいて構いません。

申述の理由

次に申述の理由の、「相続の開始を知った日」を記入します。

親族であればほとんどの場合で「1 被相続人死亡の当日」になるかと思います。それ以外の場合には234いずれかに〇をして、4を選択した場合は、それがどういう日だったのかを記入します。

相続放棄は、相続の開始を知った日から3ヶ月以内に行わなければなりませんので、ここは期日を確認する非常に重要な欄となります。

放棄の理由

「放棄の理由」では、相続放棄をしたい理由が該当する番号に〇をします。

例えば、相続財産が借金でマイナスの状態であることが理由である場合には「5 債務超過のため」、相続争いを避けたいケースなど1から5に該当しない場合には「6 その他」を選択し、その理由を記載します。

相続財産の概略

最後に、相続財産の概略について記入します。

申告書のように1円単位まで詳しく記入する必要はなく、大まかな金額で構いません。

存在が明確ではない財産がある、相続財産の内容を教えてもらえない場合などには、「不明」と記入してください。

3.相続放棄申述書の書き方のポイン

それでは最後に、相続放棄申述書をミスなく作成していただけますように、押さえていただきたいポイントをご紹介いたします。

3-1.申述書を提出すべき期限

相続放棄申述書は、相続の開始を知った日から3ヶ月以内に提出しなければなりません。

例えば相続の開始を知った日が117日であった場合、翌年27日が提出期限になります。

期限を過ぎてしまいますと、原則として相続放棄することができなくなります。

裁判所の営業時間や混雑具合などを考慮しますと、期限ぎりぎりでの提出は避けられた方が良いかと思います。

3-2.申述書の提出先

相続放棄申述書は、申述人の住所地ではなく、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ提出します。

3-3.代筆する場合

相続放棄申述書は申述人本人が自筆により作成することが原則ですが、手が不自由であるなど記入できない何らかの事情がある場合には、致し方なく代筆になってしまうかと思います。

裁判所が重視しているのは本人に相続放棄をする意思があるかどうかですので、それが確認できれば代筆による記名であっても受理されますのでご安心ください。

よって代筆で作成した場合には、提出の際にその旨を正直に申し出るようにされてください。

3-4.利益相反となる場合には特別代理人が必要

利益相反とは、当事者の利益が相反することをいいます。

相続放棄で利益相反が特に問題になるのは、子が未成年の親子の場合です。

未成年が相続放棄をする場合には親が法定代理人となり手続きを行いますが、親は相続、子は相続放棄する場合には、親が得をして子が損をする利益相反とみなされて、親が子の法定代理人となる相続放棄の手続きはできません

この場合には、親以外の人が特別代理人となって手続きを進めることになります。

特別代理人には祖父母や叔父叔母など近い親類がなる場合が多く、家庭裁判所に申し立てを行い決定します。

まとめ

相続放棄申述書の作成自体は決して難しいものではありません。必要な情報を正確に記載し、期限までに提出できれば相続放棄の手続きは完了します。

相続放棄で重要となりますのは、相続放棄を選択するかどうかの検討や、相続財産の調査など手続きに至るまでの過程です。

場合によっては期限の延長まで必要になりますので、相続放棄には専門家の一連したサポートをおすすめいたします。

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