上原note
2022.01.19
家族信託を活用した自宅不動産売却
認知症になると預金の引き出しや不動産の売却、修繕などの財産管理ができなくなってしまいます。
先日のお客様は、お父様Aさん(80歳)夫婦と子供二人のご家族で、Aさんのご自宅を信託財産とし3年後にこれを売却できたという事例です。
Aさんは80歳ではありましたが、認知症を懸念して自宅の売却契約には不安がありました。
自宅は築40年で修繕の必要があり費用がかかるため売却を検討していたところです。
そこで、Aさんが認知症と診断される前に長女Bさんが受託者となって自宅と所要資金を信託財産とし信託契約を結ぶことにしました。信託契約書にはご自宅の売却が予想されていましたので、Aさんの健康的な生活の維持と共に自宅の売却の件も記載しておきました。
自宅の売却契約は受託者であるBさんが行いました。もちろん、売却代金は受益者であるAさんの所得ですので、Aさんの譲渡所得として確定申告が行われることになります。
売却代金はBさんが受託者として管理している信託口口座に入金されました。Aさんの信託口口座以外の口座は認知症になると口座凍結されることがありますが、信託口口座は凍結されることがなく受託者であるBさんが管理することができます。
信託口口座の資金を使って、Aさん夫婦は施設に入居することができ安心した生活ができています。成年後見制度では、このような思い切った手当をすることが難しいと思われ、家族信託にしてよかったとおっしゃっていただきました。