上原note
2022.08.31

法人に対する遺贈等

遺言を書くにあたって法人に対して財産の遺贈をしたいという場合があります。

Aさんは自身が持っている財産を法人に遺贈したいと考えています。
相続人が相続すると、その後の相続でも相続税がかかるため、相続税がかからないようにしたいとのことです。

この場合の課税関係はどうなるでしょう?

  1. 法人に対しては相続税はかかりませんが法人税がかかります。
    遺贈した財産を時価で受贈したとして法人税が計算されます。
  2. また、法人への遺贈に伴って、その法人の他の株主への財産の移転があるとみなされ、各株主に対して相続税が生じます。
  3. そして、被相続人に対しては譲渡所得税が課されます。

被相続人がその財産を譲渡したものとして、譲渡所得税が課される一方その譲渡所得税は債務控除として相続財産から控除できます。

このように、法人に対しての遺贈は、①法人税、②相続税、③譲渡所得税が課されます。
Aさんは、この説明で法人への遺贈は断念しました。

ただし、公益増進を目的とする公益法人等に対する遺贈等の場合には譲渡所得が課せられません。
社会福祉法人、学校法人、宗教法人や特定非営利活動法人などの法人が対象となります。

公益の要件は厳しいものがありますが、公益を目的に社会貢献をお考えの場合はご一考ください。


相続メルマガ「あんしん相続」にご登録で、各種お役立ちリーフレットを無料ダウンロードできます。

各種お役立ちリーフレットを無料ダウンロード
孫に財産を相続させたい
住宅取得資金贈与の非課税措置(2022年改正)
「上原note」の一覧に戻る