上原note
2023.03.01
受遺者が先に死亡していた場合の取り扱い
遺言がありましたが、遺言者が死亡する前に受遺者(遺言者から財産の遺贈を受けるとされていた者)がなくなっている場合があります。このような時には、遺言はどうのように機能するのでしょうか?
遺言者よりも受遺者が先に死亡していた場合には、受遺者に与えるはずであった部分についてのみ無効となり、他の部分は遺言がそのまま機能することになります。
よく勘違いされるのが、受遺者が死亡した場合には受遺者の相続人がその財産を相続すると理解されている場合があります。残念ながら、受遺者の相続人にはこの取り扱いはありません。
そして、無効となった部分については、相続人間で遺産分割をすることになります。結果として、遺言者の意図と異なる相続になる可能性があります。
そこで、遺言を書く場合には、「Aが遺言者よりも先に亡くなっている場合には、Aの子Bに相続させる。」などの文言を追加して作成しておくようにします。このような記載を予備的遺言といいます。予備的遺言を作成しておけば、受遺者が先に死亡した時のリスクを回避することが可能です。