上原note
2022.08.31

副業については損益通算不可に?

所得税の改正案として、年間300万円以下の副業などによる収入の所得区分を「雑所得」とする動きがあります。雑所得とされた場合に大きく影響するのが損益通算です。

雑所得と事業所得は以下のような違いがあります

区分 事業所得 雑所得
損益通算 できる できない
青色申告 特典あり 特典なし
帳簿書類 帳簿備え付け 定めなし
申告書類 決算書・確定申告書 確定申告書

例えば、サラリーマンのAさんが副業で動画配信などで年間250万円の収入、経費300万円があった場合を考えてみましょう

Aさんは、今までは事業所得として収入-経費=▲50万円を給与収入と相殺して確定申告をしていました。

ところが、この改正案が成立すると、年間収入300万円以下の場合には雑所得とされ損益通算ができないことになってしまいます。
この結果、雑所得は0とされますので、給与収入との相殺はできなくなってしまいます。

雑所得については2022年から帳簿書類の整備について改正がありました。

前々年の収入 雑所得に関する改正
300万円以下 現金主義で所得計算可能
300万円超 領収書などの書類保存
1000万円超 領収書などの書類保存・帳簿の義務化

税制改正の動向をにらみながら、帳簿の整理を行うとともに年間収入300万円を超える収入を目指すのもいいかもしれません。

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