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顧問税理士に依頼する3つのメリット

顧問税理士

創業・会社設立をしたとき、検討事項の一つとして、「顧問税理士と契約すべきなのかどうか?」というものがあります。税理士費用はかかりますが、その代わり、税務申告や会計業務をプロに任せることができます。

ここでは、税理士と顧問契約を結ぶ3つのメリットについてご紹介します。売上や事業規模が拡大し、税理士に依頼しようと思っていらっしゃる方は、ぜひ参考にしてください。

1.顧問税理士とは?

税理士とは、ご存じのとおり税金や会計に関するスペシャリストです。会社や個人事業主が税理士と税務顧問契約を締結することで、契約した税理士は「顧問税理士」になります。

1-1.顧問契約とスポット契約

税理士に依頼する場合は「顧問契約」と「スポット契約」の2つに分類されます。

1-1-1.顧問契約

顧問契約は、税理士に継続して依頼する契約です。基本的には月額で顧問料が発生します。依頼できる業務内容は、依頼者の状況や税理士の状況によって様々ですが、主に次のような業務を依頼することができます。

・記帳代行業務

記帳代行は、経理業務の1つである「会計仕訳の入力」を行い、月次試算表などを作成する業務です。通帳や現金出納帳、領収書などを税理士事務所へ渡し、税理士事務所で会計仕訳の入力を行います。専門の経理事務がいない場合などに利用されるサービスです。

・コンサルタント業務

顧問税理士は、クライアントの財務状況や資金繰り状況などを把握することができるため、事業にとって重要な資金繰りについてのアドバイスを行うことができます。資金繰り表を作成し、今後の財務状況を分析することで、安定した経営を目指すことが可能です。

また、顧問税理士が関与することで金融機関からの信頼度が増し、融資を受ける際に有利に働きます。

・申告書、申請書の作成

決算書に基づき作成する確定申告書や税金に関する各種申請書の作成は、税理士に与えられた独占業務です。これらの書類の作成は、専門的な知識が必要です。特に法人税確定申告書は、作成する書類が多く、添付しなければならない帳票も膨大です。顧問税理士に依頼することで、適切な申告書を作成することができます。

・年末調整業務

従業員の所得税額を確定させる年末調整についても顧問税理士に依頼することができます。年末調整は、多忙な年末に行わなければならない業務です。1年に1度のことなので、計算方法を忘れてしまったり、所得税法が改正されていたり、会社の経理にとって大きな負担になってしまいます。顧問税理士に依頼することで、適正な年末調整と経理の負担軽減を行うことが可能です。

1-1-2.スポット契約

スポット契約とは、1回限りの契約のことです。費用は業務ごとに発生します。どこまでの業務をスポット契約で依頼できるかは税理士事務所によって異なり、スポット契約で法人の決算書、確定申告書の作成を引き受けている事務所もあります。一般的には、スポット契約では次のような業務があげられます。

・税務相談

法人化した場合の税金についての相談や顧問税理士がいる場合のセカンドオピニオンなど、税金についての税務相談です。税務相談は1時間単位などで料金が設定されている場合がほとんどです。

・事業承継

個人事業主や会社経営者の方が亡くなられたときは、相続人や後継者に対して事業承継が発生します。相続はいつ発生するかわかりませんので、基本的にはスポット契約になります。亡くなった被相続人の準確定申告、相続財産(株式)の評価、相続税申告書の作成、また、後継者の事業承継の手続きが主な業務となります。

1-2.顧問税理士の業務

顧問税理士が対応できる業務は多岐にわたりますが、その中でも税理士しかできない独占業務があります。独占業務は、

  • 納税者に代わって税務を行う「税務の代理」
  • 税務関連の書類を作成する「税務書類の作成」
  • 税務についての相談を受ける「税務相談」

の3つです。その他の会計記帳代行などは税理士でなくても行うことが可能ですが、これらの業務は税務申告に直結するため税理士に依頼する方が安心です。

1-3.顧問税理士と契約を結ぶタイミング

個人事業主の場合は、年商1,000万円が一つの目安で、それを超えると顧問税理士契約をすることが多いです。課税売上高が1,000万円を超えると、課税事業者となり消費税申告が必要になるからです。

法人の場合は、法人設立のときから顧問税理士契約をするのが一般的です。法人税申告は、個人の確定申告よりも複雑だからです。

2.顧問税理士に依頼する3つのメリット

①資金繰りや節税のアドバイスが得られる

顧問税理士は、定期的にクライアントとの財務状況をチェックしているため、リアルタイムで資金繰りや経営のアドバイスを行うことができます。多くのクライアントを抱える税理士事務所では、地域の経済状況に精通しており、より細かなアドバイスを得ることができます。また、利用できる特例や節税方法なども紹介してもらえるでしょう。

②税務調査対応

顧問税理士は、税務署から申告内容が正しいかどうかを確認する税務調査が行われた場合に、税務調査に立ち会うことができます。納税者の代わりに調査官と交渉し、納税者が不利にならないように立ち合います。もし、税務署の決定に不服がある場合には、代理人として対応することが可能です。

税務調査対応は申告書の税務処理方法や事業の状況などに関わるため、スポット契約では対処してもらえない場合もあります。

③本業に集中できる

経理や税務に関する業務を顧問税理士に任せることで、経理に割く時間を本業に充て、本業に集中することができます。会計や税務に関することは、専門的な知識が必要であり、調べながら業務を行うと多くの時間を費やしてしまうことになります。税務のプロである顧問税理士に任せれば、安心して本業に取り組むことができます。

3.顧問税理士を依頼するデメリットは?

①毎月の費用が発生する

顧問税理士を依頼することで毎月顧問料が発生します。顧問料については事業規模や業務の範囲、税理士事務所の規定などにより異なります。また、決算料や年末調整費用が別途かかる場合がありますので、確認する必要があります。

顧問税理士を依頼すると毎月顧問料が発生してしまいますが、経理に係る人件費の削減や専門家に依頼している安心感を得られる点など、コストを上回るメリットがあります。

②満足を得られるかどうか分からない

税理士も一種のサービス業です。人と人とのお付き合いになりますので、相性の善し悪しが出てきます。なかなか提案をしてもらえない、処理に時間がかかりすぎるなど、満足いくサービスを得られない可能性もあります。まずは、自身にあった顧問税理士を選ぶことが重要です。

4.顧問税理士の選び方

顧問税理士は、一緒に事業を支えるパートナーであり、長い付き合いになります。顧問税理士は次のポイントをよく検討して選んでみるといいでしょう。

相性が合う税理士であること

記帳代行業務や決算書・申告書作成などの作業を頼むだけの関係であれば、税理士との相性はあまり重要ではないかもしれません。しかし、資金繰りや経営などを相談したい場合には、税理士との相性が重要です。税理士の人柄や雰囲気など、何でも相談できる関係を構築できる税理士を探しましょう。

業務内容や報酬

顧問税理士によってサービスの内容や報酬が異なります。求めているサービスに対応しているのかどうか、毎月の顧問料以外に発生する報酬の有無など、事前にチェックしましょう。また、利用している会計ソフトが対応可能かどうかということも重要なポイントです。もし、対応できない場合には、データ移行できるかどうかなども視野に入れて検討しましょう。

事務所の規模や実績

税理士事務所は、税理士1人の事務所から多くの従業員を抱える大規模な事務所まで様々です。小規模の事務所であれば、直接税理士に対応してもらえることが多く、安心感を得ることができます。一方で、得意分野に知識や経験が偏っている場合もあるため、不得意分野についてのアドバイスがもらえない可能性もあります。また、繁忙期などは人手不足により対応が遅れてしまうこともあります。

大規模な事務所は、小規模な事務所に比べて複雑な相談であっても組織的に対応してもらえます。一方で、税理士が直接対応することが少ないため、担当者の経験や知識によっては、迅速に適切な回答が得られない場合もあります。

まとめ

顧問税理士と契約するメリット&デメリットを紹介しました。

顧問税理士と契約すれば、費用はかかりますが、資金繰りや節税のアドバイスが得られる、本業に集中できるなどのメリットもあります。

当事務所は中小企業の経営力向上を支援する「経営革新等支援機関」として登録されており、財務力のある強い会社を作るための各種提案・支援を積極的に行っています。顧問税理士をご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。

当事務所の顧問税理士業務については、下記で詳しく説明しております。

【詳細はこちらよりご覧ください】上原会計事務所 業務分野 顧問税理士

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