損益分岐点(損益が分岐する点・・収益-費用=0の点)はよく耳にする用語です。
しかし経営において損益分岐点だけでなく、資金分岐点(収入-支出=0の点)を確認しておくことが重要です。
決して資金力が潤沢とは言えない中小企業にとって資金力に焦点を当てた経営は必須といえるでしょう。資金がマイナスになれば会社が運営できなくなる可能性があるからです。損益分岐点と資金分岐点を共にクリアする経営が求められます。
図①はA社の未来会計図です。損益分岐点=税引後利益は0で損益が分岐しています。
しかし、資金収支は借入返済があるためマイナス3,000千円になっています。
(税引後利益0+減価償却費1,000-借入返済4,000=資金収支▲3,000)
では、資金分岐点を均衡させるためにいくら売上を上げたらいいでしょうか?
未来会計図を使ってシミュレーションをしてみますと、売上高が120,000千円から126,944千円にアップすることができれば図②のように資金収支が均衡します。
売上高 ・・・・・・・・ 120,000千円 → 126,944千円
もちろん、売上高を増額する以外にも変動費削減、経費削減、借入返済額の見直しなどを行って資金収支を均衡させることも可能です。
将来の損益と資金を事前に把握して着実な手を打っていくこと、それが重要です。