1人当たり労働生産性は?
東京の中小企業で働く正社員の年収がどれくらいか調べてみると令和元年年間給与は約550万円という東京都の調査がありました。
おそらく、このくらいが多くの経営者も納得される平均なのではないでしょうか。
とすると、会社規模にもよりますが、中小企業経営者が正社員を雇用してこれを維持していくためには、社員1人当たり年500万円以上の給与額を支払う必要があるということになります。最近は給与賃金のアップが叫ばれさらに高額かもしれません。
その中で中小企業は他社と競争して勝ち残っていかなくてはなりません。そのためには会社の生み出す価値をあげ、いわゆる付加価値のアップが至上命題となってきます。
付加価値=(売上-仕入-外注費)で表され、会社内部で付加した価値を言います。そして、この付加価値から給与と経費と利益がねん出されますので給与アップの財源は付加価値であることがわかります。
会社は付加価値から人件費を払い、もろもろの諸経費を払い、税金を払って将来のための利益を確保しなくてはなりません。なので、一人当たり労働生産性=付加価値が高いほど、給与水準も増加し人材確保も達成できることになります。
では労働生産性=社員一人当たりの付加価値はいくらぐらいが目標でしょうか?
付加価値から、給与、家賃やPCなどの諸経費、税金、将来のための利益に分配しなくてはならないと考えると、労働分配率は50%ぐらいが妥当するでしょう。と考えると1人当たり付加価値=労働生産性=500万円/50%=1000万円となります。
一人当たり1000万円の付加価値をあげるためにどのような戦略(売上・仕入・人材・諸経費等)を立てるのか、十分な計画が必要になります。