上原note
2025.07.23
3つの視点でみる決算書の見方
中小企業が決算書を見るときに、特に注意して確認すべきポイントは次の3点です。
単に数字を読むだけでなく、経営判断や資金繰り対策につなげる視点で確認することが重要です。
①貸借対照表の「現預金残高」
利益が出ていても、現金が不足すると支払不能・倒産のリスクがあります。
手元資金が固定費≒(販売費一般管理費+借入金返済額-減価償却費)の2か月分以上をめざしその資金確保に注力しましょう。
借入金返済額は現預金残高に大きく影響しますので注意が必要です。
②損益計算書の「売上総利益」
売上総利益は人件費、一般経費、利益の源泉です。
売上総利益が少ないと、給与を上げられず、経営活動に支障をきたします。
売上総利益=売上高–変動費=数量×単価
です。
いかにこの数値を上げるか社長の役割になるでしょう。
③「一人当たり人件費」
給与は社員にとっては一番の関心事です。
もちろん給与だけ高ければいいわけではありませんが、一定額の給与支給を維持することは必要です。
会社の活性化、人材確保のためにも重要です。
ちなみに、上場会社の一人当たり年間平均給与は612万円となっています。
この①②③を満たしながら、次の式を成立させるのが目標です。
目標=【キャッシュフロー>売上総利益×10%】
これを満たすには長期に安定した高収益を確保する必要があるでしょう。
高い目標かもしれませんが、不況にも負けない強い会社になることは間違いありません。