
目次
税理士に依頼するとき、気になるのは、かかる費用の相場ではないでしょうか。
顧問税理士の費用の相場、費用の決め方、安い報酬と高い報酬の違いなどを解説します。
1.顧問税理士の相場
一昔前の税理士報酬は、税理士法によって定められた報酬基準がありましたが、現在ではその報酬規定は撤廃されており、明確な基準はなく、税理士事務所ごとに料金体系が異なっています。相場が分かりにくい税理士報酬ですが、通常は以下の要素で構成されることになります。
1-1.税理士報酬の決まり方
継続的に税理士に依頼する場合には「顧問契約」を結ぶ方法が一般的です。
税理士と顧問契約を結ぶ場合、月額の顧問料に加え、年に一度発生する決算申告料、そして記帳代行などのオプション業務報酬が発生します。
月額顧問料
毎月発生する費用です。税務相談や帳簿確認など、サービス範囲は事務所によって異なります。月額の顧問料は、年間売上や打ち合わせ回数(訪問回数)等により決定します。
決算申告料
年に一度、決算申告業務を依頼する際に発生する費用です。顧問契約をしている場合、月額顧問料の約4~6か月分が目安とされています。
オプション業務報酬
記帳代行、給与計算、年末調整などについては、通常の業務とは別にオプションとして扱われることが多く、別途費用が生じる場合があります。
1-2.法人の顧問税理士の相場
法人が税理士と顧問契約を結ぶ場合、法人の規模や税理士事務所の料金体系、都市部か地方かなどによって異なりますが、3万円~5万円程度が一般的です。
決算申告料は月額顧問料の約4~6か月分となるため、12万円~30万円程度になるでしょう。
記帳業務を依頼する場合には記帳料金が加算されます。
1-3.個人事業主の顧問税理士の相場
個人事業主が税理士と顧問契約を結ぶ場合の顧問料は1万円~3万円、確定申告代行料として10万円~20万円程度が目安になるでしょう。
2.顧問税理士の費用が変動する要因
税理士の顧問料は様々な要因によって大きく変動します。主な要因は次のとおりです。
2-1.年間売上高
一般的には、事業の売上高が大きいほど取引件数が多くなり、経理処理や帳簿の作成、税務申告が複雑化します。これにより、税理士の業務量や税務処理に関する責任が増加するため、顧問料を高く設定する傾向があります。
2-2.従業員数
従業員数が一定以上の会社では、社会保険料の支払いや毎月の源泉所得税の納付などが生じるため経理処理の負担が増加します。また、年末調整を税理士事務所で請け負う場合もあるため、従業員数が多い場合は顧問料が高くなる場合があります。
2-3.打ち合わせの回数
税理士との打ち合わせの頻度が多ければ多いほど、税理士がクライアントのために費やす時間や労力が増えることになります。当然ながら、年1回訪問の契約と毎月訪問の契約では、顧問料は毎月訪問の方が高くなります。
2-4.期間
税理士と顧問契約をスタートする場合、申告期限が間近に迫っているなど、緊急の対応が必要になる場合には顧問料が割高になったり、追加費用が発生したりする可能性があります。
2-5.難易度
会社の財務内容が複雑である場合や特殊な取引(国際取引やM&Aなど)がある場合には、高度な税務知識が必要になり、税理士の負担と責任が増加するため顧問料が高くなる傾向があります。
2-6.追加業務
通常の顧問業務の範囲外のオプション(記帳代行、給与計算、年末調整など)を税理士に依頼する場合には、顧問料に上乗せ、または別途オプション費用として支払いが発生します。また、法人の代表者の確定申告を依頼する場合などについても別途、代表者あてに費用が発生します。
3.顧問料が安い税理士と高い税理士の違い
税理士の顧問料はサービスの範囲や質によって大きく異なります。価格帯別の税理士の一般的な特徴を見ていきましょう。
3-1.超低価格(激安)な税理士
この価格帯の顧問税理士は、主に決算時の税金の計算だけを代行するサービスを提供しています。基本的に月々の記帳代行の請負はなく、あるとしても最低限の記帳代行を簡素化・省略したりするケースが見られます。
通常の税務相談や問い合わせについては受け付けていない、または相談料が発生する場合も少なくありません。
3-2.比較的低価格な税理士
相場に比べて比較的低価格な顧問料を設定している税理士事務所は、クライアント別にオーダーメイドのサービスを提供するわけでなく、記帳代行や決算申告といった基本的な税務業務を淡々と行う傾向があります。また、訪問ではなくリモートでの打ち合わせやクラウド会計の活用に積極的な場合が多く、これにより費用を抑えている事務所も少なくありません。
クライアントから求められない限り、節税や融資の提案を積極的に行うことはなく、経営に関するコンサルティングまで踏み込んだサービスは提供しない傾向があります。
3-3.比較的高価格な税理士
比較的高価格な顧問料を設定している税理士は、基本的な税理士業務に加え、経営相談や融資の相談、事業承継対策の相談など、付加価値の高いサービスを提供している傾向があります。
顧問税理士であると同時に会社の事業を発展させるパートナーとして関わりを持つことも多く、節税、融資、経営などの提案・相談はもちろん、財務諸表を分析してキャッシュフローや利益率をまとめた「月次決算書」を作成するなど、財務力強化のための計画立案と実行までサポートする税理士もいます。
4.顧問料が高い税理士の特徴
顧問料が高い税理士に対しては、その価格に見合った質の高いサービスや専門的なサポートを期待することができます。顧問料が高い税理士の特徴について見ていきましょう。
4-1.提案力がある
日々の業務や申告書作成にとどまらず、クライントから求められなくても節税の提案や、最新の税制、助成金・補助金の情報を積極的に紹介し、単なる税金計算だけでなく、様々な角度から節税対策シミュレーションを行います。そのようなクライントの状況に合わせた最適な節税方法を見出すために労力を惜しまない税理士の顧問料は決して安いものではありません。
提案力がある税理士が顧問になることにより、節税効果が顧問料を上回るメリットをもたらすことが期待できます。
4-2.財務力強化のアドバイス
税金だけでなく、財務のプロとして財務諸表を深く分析し、財務力強化のための計画立案と具体的なアドバイスを行います。特に、毎月の試算表をリアルタイムで分析し、今後の利益計画や財務計画といった未来に関する事項は経営判断を行ううえで貴重な材料になるでしょう。
4-3.税務調査に強い
経験を積んだ税理士は、税務調査においても的確な交渉を行うことができ、クライントの利益を守ることができます。
税理士事務所の中には、税務署OB税理士が在籍している事務所や税務調査対策チームを組織している事務所もあります。
4-4.ワンストップ対応
弁護士、司法書士、社会保険労務士など他の士業と連携し、税理士業務ではない手続きについてもワンストップで対応できる税理士事務所が顧問税理士であれば、クライントは別途専門家を探す手間を必要とせずに適切な専門家に相談することが可能です。
5.顧問料が高くても依頼すべきケース
顧問料が高い税理士に依頼することは、単なるコストではなく、企業の成長やリスク回避のための投資と考えることもできます。次のようなケースでは顧問料が高くても質の高い税理士に依頼することを検討しましょう。
5-1.節税や助成金・補助金などの提案・紹介を受けたい
単なる税務処理だけでなく、自社に最適で効果的な節税対策や活用できる助成金・補助金の情報など「提案型のサポート」を受けたい場合は、安価な顧問料の税理士ではなく高くても質が高い税理士を選ぶと満足できるサービスを受けることができるでしょう。
5-2.会社を成長させたい
経営戦略、財務戦略、資金調達、事業計画の策定など、税理士から戦略的なアドバイスを受け、会社の成長・拡大を望んでいる場合は、顧問料が高くてもクライントのことを本気で考えてくれる税理士に依頼しましょう。
5-3.事業承継やM&Aを検討したい
事業承継やM&Aは専門的な知識が必要になり、準備段階から綿密な計画を行わなければ思い通りにいかないこともあります。成功させるためにも、専門的な知識を持つ税理士に相談することが重要です。
5-4.今の顧問税理士に不満を感じている
安価な顧問料の税理士に依頼した結果サービスの質に不満を感じている場合は、顧問料が多少上がっても、積極的に会社のサポートをしてくれる税理士に変更した方が会社にとっても良い選択になるでしょう。
6.当事務所では、質の高い税理士サービスを提供します
当事務所の費用は、決して安いとはいえませんが、質の高い税理士サービスの提供を目指しています。
具体的には、下記の内容に関わる業務サービスを提供しています。
- 一般的な税務相談、決算申告
- 創業・会社設立サポート
- 融資・資金調達
- 経営計画の策定
- 財務力強化
- 会計システム・記帳代行(主要なクラウド会計対応)
- 労務・社会保険・給与計算
- 事業承継
法人個人を通じた税務会計分野に30年の実績と豊富な経験を有しており、お客様に寄り添いベストの解決策をご提案させていただきます。
特に、融資・資金調達のサポート、最新の税制、助成金・補助金の提案、財務力強化のアドバイスには自信を持っております。
まずは、お気軽にご相談ください。