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【税理士が解説】顧問税理士の選び方|7つのポイント

税理士

創業したばかりの会社や、まだ日が浅い会社の場合、節税方法や事業経営の方法についてよくわからないことが多いでしょう。
そんなとき、財務や経営戦略に関する知識を基に良いアドバイスをしてくれる顧問税理士は大変貴重な存在です。

しかし、すべての税理士が効果的な提案をしてくれるとは限りません。
自社の状況を適切に把握して、有益なアドバイスができる、経験豊富な良い税理士を選ぶ必要があるのです。

ただ、今まで税理士とお付き合いしたことがない方は、どうやって税理士を探せば良いのか迷われることでしょう。

今回は、良い顧問税理士を選ぶためのポイントを、自らの経験を踏まえて、税理士がわかりやすく解説していきます。

1.みんなどうやって税理士を選んでいる?

「顧問税理士選び」は、個人や会社の事業経営にとって非常に重要です。良い税理士と出会い、事業経営にとって有益なアドバイスを受けることで経営の基本方針が変化していきます。反対に税理士選びに失敗すると、アドバイスを満足に受けられず、不満が溜まってしまい契約解除に至ることもあります。

では、他の会社はどのようにして顧問税理士を選んでいるのでしょうか。失敗しない顧問税理士の選び方を見ていきましょう。

1-1.税理士を選ぶ際の決め手は業務の丁寧さと人柄

株式会社ミロク情報サービスが実施した「顧問税理士を選ぶ際の決め手は何ですか?」というアンケートでは、次のような結果になりました。

  • 基本業務(節税支援・決算対策など)の丁寧さ 42.2%
  • 人柄や人物(世代や性別、話しやすさ) 39.4%
  • 料金の安さ 26.8%
  • ビジネス上のお付き合い・紹介などの関係 23.9%
  • 価格表など料金の明瞭さ 13.1%
  • 質問や対応などレスポンスの早さ 13.1%
  • 税理士・公認会計士の方の経歴 13.1%
  • 経営(資金調達・助成金など)に関する豊富なアドバイス 12.1%
  • 相談の曜日や時間の柔軟性 11.8%
  • 事業や業界への理解 10.2%
    (後略)

【引用】ミロク情報サービス:会計事務所白書2017
https://www.accnt.jp/report/2017g.pdf

約4割の人が「基本業務の丁寧さ」と回答し、同じく約4割の人が「人柄や人物」と回答しています。

税理士報酬の自由化以降、税理士業界では価格競争が起きていましたが、多くの経営者が選ぶ税理士は顧問料金の安さではなく、今も昔も変わらず「丁寧な仕事」「税理士の人柄」で選んでいることが分かります。

1-2.顧問税理士とトラブルになる理由

顧問税理士選びを失敗すると、税理士へ不満を感じてしまい、契約解除に至ってしまうケースもあります。顧問税理士とトラブルになる理由で一番多いのは「アドバイス不足」です。「節税に関する提案がない」「長期間放置されている」などの不満があげられます。

2番目に多いのは「態度・口調」です。「税理士の態度が偉そう」「気が利かない」など、税理士の人柄に関連する不満になります。

3番目は「価格に関すること」です。「顧問料が相場より高い」など、料金に関しての不満があげられます。

2.顧問税理士の選び方|7つのポイント

顧問税理士選びを失敗しないためには、実際に会って話をしてみることが重要です。税理士を選ぶ際には、これから解説する7つのポイントに注目してみましょう。

①人柄が良いか・相性が良いか

一番重要なポイントは「税理士自身の人柄」です。専門家である前に「信頼できる税理士かどうか」「社会人としてマナーができているか」などの税理士自身の人柄が重要です。経営のことを相談でき、末永く付き合っていくためには専門性もさることながら「人間性がどうか」を判断するといいでしょう。

また、経営者も税理士も同じ人間である以上、相性が合うか合わないかは大切です。相性が合わない税理士では、スムーズにいく業務もぎこちなくなってしまうこともあります。相性を確認するためには、まずは実際に会って1時間ほど話をしてみましょう。

昨今では、ZOOM等を利用したWEBミーティングが増えてきましたが、オンラインでは、相手の雰囲気がよくわからないこともあります。こちらから税理士事務所を訪問してでも、一度はお会いして話をすることをお勧め致します。対面で会話することで、ある程度相性が合うか合わないかの判断ができると思います。

②サービス内容はどうか

税理士へ依頼する経営者の目的は様々です。決算書の作成と確定申告書の作成だけで十分な場合もあれば、毎月の試算表を見てもらいアドバイスをしてもらいたい、記帳業務や給与計算も含めて依頼したいといったケースもあります。自分が受けたいサービスを提供している税理士かどうかを確認しましょう。

助成金・補助金の情報を積極的に提供してくれたり、申請方法をアドバイスしてくれる税理士もいます。また、資金繰りに際して、金融機関がどんな基準で融資の判断をするのか把握し、事業計画書作成をサポートしてくれることもあります。

昨今では、経営者の高齢化に伴って、事業承継や家族信託など相続対策が絡む案件を扱う税理士も増えています。事業承継では、会社の法律や税務に関する深い知識が必要であるばかりでなく、後継者選びの方法や育成方法、承継スケジュールの立て方など、経営に関するノウハウも必要です。もし、顧問税理士に事業承継をサポートしてほしいのであれば、最初から、事業承継の経験豊富な税理士を選ぶ必要があるのです。

③経営アドバイスを受けられるかどうか

かつては、顧問税理士といえば、確定申告を行い節税の指南をするだけの時代もありましたが、現在では、税務関連業務だけでなく経営アドバイスが求められています。

AIの出現、円安とインフレの進行、人手不足による賃金アップなど、会社をとりまく環境が目まぐるしく変化しており、企業は現状にとどまることなく、常に創意工夫をしていかなければ生き残れない時代となりました。

顧問税理士には財務の専門家として、資金調達の方法、効果的に融資を受ける方法、売上・利益をあげる方法、無駄な経費を省く方法、そして、中長期的な経営戦略の立案など、経営者の視点でのアドバイスが求められています。

しかしながら、すべての税理士が会社経営について詳しいわけではありません。経営アドバイスを受けたいと考えている場合には、次のような事項を質問して、適切な提案をしてくれるかどうか確認するといいでしょう。

  • 自社の財務状況はどのような状態か?どのように改善すれば良いか?
  • 資金調達の方法にはどんなものがあるか?
  • 融資はどのような形態でいくらまで受けられるか?
  • 経営計画書をどのように作成すれば良いか?
  • 自社で受けられる助成金・補助金はあるか?

④クラウド会計ソフトに対応しているか

近年では、クラウド会計ソフトが急速に普及しており、特に、創業したばかりの会社にとっては、顧問税理士が対応してくれるかどうかは非常に重要なポイントです。

顧問税理士がクラウド会計ソフトに対応していれば、その税理士に閲覧権限を付与したサブアカウントを発行して渡すだけで、インターネットを介してリアルタイムで会計データを確認してもらい適切なアドバイスを受けることができます。場合によっては、編集権限を付与して、帳簿の修正まで行ってもらうこともできます。そうすることで、自社も税理士も無駄なやりとりがなくなり、コスト削減につながります。

仮に、顧問税理士が既存のパソコンインストール型の会計ソフトにしか対応していない場合には、会社はその都度、最新の会計データをエクスポートして税理士に送付しなければなりません。そして、税理士が指摘した内容をメールやファイルで受け取り、手動で修正することになりますが、相当な手間がかかってしまいます。

クラウド会計ソフトは、主要なものだけでも何社かありますが、自社が利用するクラウド会計ソフトに顧問税理士が対応してくれるかどうかを確認するようにしましょう。

⑤熟練度や経験年数

資格を取ったばかりの税理士より、経験を積んだ税理士の方が知識の量が多いのは確かです。しかし、良い税理士を判断するには、単に経験年数だけではなく、熟練度で判断してみましょう。熟練度は、税理士業務に対してどれだけ真剣に取り組んできたかによって変わってきます。熟練度は、実際に会って話される中で判断するといいでしょう。

顧問税理士が行う業務は幅広いため、税理士によってそれぞれ得意分野があります。相続や事業承継を得意とする税理士もいれば、小売業・建設業など特定の分野の経営アドバイスを得意とする税理士もいます。自社の業界や税理士に期待するサービス内容に関して、どれだけ熟練しているかという観点でも見ることが大切です。

逆説的ではありますが、場合によっては、若い税理士のほうが積極的に提案してくれることもあります。知識や経験は足りないかもしれませんが、顧客である会社と一緒に成長していきたいという想いを強く持っている税理士は、自らいろいろな勉強会に参加して最新の業界情報を入手し、有益なアドバイスをしてくれるでしょう。

⑥事務所の規模

税理士事務所は、スタッフを大勢抱える大規模な事務所から税理士1人で業務を行っている個人事務所まで、いろいろな事務所があります。

大きな事務所の場合は、事務所内で知識が共有されるため、様々なケースに対応することが可能です。また、担当が退職しても別の担当が業務を引き継ぐため、属人化を防ぐことができます。
一方、小規模の事務所では、税理士との距離が近く相談しやすいメリットがあります。また、軽いフットワークで対応してくれる事務所も多いです。

自社の状況や、顧問税理に期待する内容に応じて、判断すると良いでしょう。

⑦報酬が適正かどうか

サービス内容に対して税理士報酬が適正かどうか判断することも重要です。

税理士報酬は、税務申告、記帳代行、経営アドバイスなど業務ごとに料金がそれぞれ設定されており、また、会社の売上や従業員数に応じて金額が分かれていることが一般的です。顧問税理士の報酬はだいたい月々定額ですが、確定申告の報酬は年1回程度、申告のタイミングでスポット的に発生することが多いです。

顧問税理士に依頼する内容に応じて、報酬がいくらになるのか、どのタイミングで発生するのかなど、顧問契約を結ぶ前にしっかりと確認するようにしましょう。

3.良い税理士の探し方

3-1.家族や知人からの紹介が多い

株式会社ミロク情報サービスの調査によると、顧問税理士と知り合ったきっかけの多くは「紹介」によるものです。家族や知人から紹介されたケースや他士業より紹介されたケースが全体の8割以上を占めています。家族や知人などの信頼している人から紹介してもらうと安心感があり、また税理士探しに苦労することはありません。

ただし、紹介による顧問契約は紹介者との関係上、簡単に契約解除できないというデメリットもあります。

3-2.商工会やインターネットを利用して探す

家族や知人から紹介された税理士が自分にとっての良い税理士であるとは限りません。より自分に合う税理士を見つけるためには、商工会やインターネットで検索して探す方法もあります。

商工会では、商工会と提携・加入している税理士による税務相談会が多く開催されており、実際に相談することができます。相談会で話してみて相性が合うのであれば、顧問契約を依頼することも可能です。税理士の人柄や雰囲気を実際に話して確認することができるため安心です。

最近では、ホームページを持っている税理士事務所も増えているため、インターネットを利用して税理士を探すことも可能です。ただし、ホームページは対外的にアピールを行う広告要素も含まれているため、全てを鵜吞みにしてはいけません。実際に会って確認することが重要です。

4.税理士を決めるときのポイント

顧問税理士を決める際には、必ず次のポイントを確認しましょう。

実際に会って話してみる

オンラインの時代とは言え、顧問税理士を決める際には実際に会って話してみましょう。長く付き合わなければ分からないこともありますが、第一印象は大事です。第一印象は3秒で決まると言われており、少なくとも第一印象が悪い税理士はやめた方がいいでしょう。

また、「面談した税理士が実際に対応してくれるのか」の確認も行いましょう。大きい事務所になると面談した税理士以外の人が実際の業務を行うこともよくあります。また、数年で担当者が変わることもありますので、確認しておきましょう。

サービス内容を把握する

顧問契約のサービス内容を理解せずに顧問料を払っている会社もあるのではないでしょうか。顧問契約のサービス内容は税理士事務所ごとで違いますので、顧問契約の中にどのようなサービスが含まれているのか確認しましょう。例えば、顧問契約の中に年末調整や法定調書の作成などの業務が含まれている事務所もあれば、顧問契約とは別に料金設定を行っている事務所もあります。

年間の支払額を確認する

「年間」の支払額を必ず確認しましょう。顧問料以外にも決算料や記帳料、年末調整費用など、様々な費用が加算されて思っていた以上の支払いが発生するケースもあります。毎月の顧問料だけではなく、年間の支払額も確認してみてください。

相性が合うか確認する

顧問税理士には会社の金銭面を全て預けることになりますので、信頼できて相性が良い人でなければなりません。スムーズにコミュニケーションができる人かどうかをしっかり見極めましょう。

また、税理士の年齢もポイントの一つです。年齢の高い税理士であればその経験から安心感を得られるでしょうし、年齢の若い税理士であればスピード感や柔軟性が高いことがメリットになります。自分にはどちらが合っているのかイメージしてみるといいでしょう。

まとめ

多くの人は、基本業務の丁寧さ、人柄や人物で税理士を選んでいます。

まずは、税理士の人柄や自分との相性を確認し、その次に、税理士の実績や熟練度などを判断し、最終的にサービス内容・価格が見合うどうかの観点で、顧問税理士を選んでいくのが良いでしょう。

当事務所は、財務に強い会社になるための経営アドバイスを積極的に行っており、お客様に常に寄り添いながら、お客様と共に成長していくことを心がけております。30年以上の豊富な経験と法人個人約500社を超える実績があり、様々な規模や業種での対応が可能です。顧問税理士はお任せ下さい。

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