急ぎ、資金繰り表を作ろう!
借入金の返済は基本的にはキャッシュフロー=【税引後利益+減価償却費】で賄われます。
キャッシュフローが借入金返済額より大きければ留保する資金が増加し
キャッシュフロー>借入金返済額・・・留保資金の増加です。
キャッシュフローが借入金返済額より小さければ留保する資金が減少します
キャッシュフロー<借入金返済額・・・留保資金の減少
中小企業の多くはコロナ禍で多額の借入を行い、現在、返済猶予が行われています。
ところが、この借入金返済の猶予が2年~3年で終わり、2022年中にはコロナ借入金の返済が多くの会社で始まります。
返済が始まるとどうなるか?
先ほどの、キャッシュフロー<借入金返済額・・・留保資金の減少 という不等式が経営を圧迫し始めます。
残念ながら、今度は、また融資を受ければいいというわけにはいかないでしょう。コロナ禍と違い簡単に融資をうけられる状況にありません。
政府系の日本政策金融公庫の中小企業向け融資残高はすでに40兆円を超え10年ぶりの高水準になっていますし、保証協会付きの融資も簡単ではありません。ましてプロパー融資は資金繰りに余裕のある会社が対象となるからです。
資金が枯渇すれば会社を継続することはできません。
早期に対策を講じる必要があります。まずは、会社の状況を把握し借入返済予定表と資金繰り表を作り返済計画を立てます。
キャッシュフロー>借入金返済額・・・留保資金の増加を実現するには、
①キャッシュフロー増加の源泉である収益力のアップ
会社の収益力アップはいい商品をいかに作るか、社員総出で努力する必要があります。
②借入金返済額の減少も必要です。
短期資金と長期資金の区分を行って、短期の資金については金融機関と交渉し「当座貸越」を設定する努力をしましょう。
「当座貸越」は一定の枠の範囲であれば出し入れが自由な資金枠です。所要運転資金部分は通常の業務で常に必要とする資金です。これを「当座貸越」にしてもらい返済不要としたいのです。
このことにより、毎月の返済に充てられている返済額の減額をすることが可能になります。
「当座貸越」は企業の信用力の証左でもあります。「当座貸越」が組める財務体質を作る努力をしましょう。