上原note
2023.06.14
譲渡制限付株式
株主は株式を譲渡することによって投資を回収するのですから株式の譲渡は株主の権利です。しかし、発行会社にとっては好ましくない人が株主になるのは避けたいものです。
ある会社で代表者Aと専務Bの主導権争いが起きてしまいました。
両者の言い分が長期間続き妥協点を見出すことができません。
株式所有割合は代表者Aが60%、専務Bが40%所有していたため、結局Bは専務を辞し退職してしまいました。
その後しばらくたって、見ず知らずのCから「Bから株式を購入した」との連絡が入りました。
調べたところ、Cは会社にとっては好ましくない反社会的な人物でした。
会社はこのCから株式の高値購入を迫られたのです。
しかし、会社では株式の譲渡制限条項を定款においていました。
第〇条「株式を譲渡するには、取締役会の承認を要する。」
会社は譲渡承認のないBからCへの株の譲渡は会社に対しては無効であることを主張し、好ましくないCを株主としないことができました。
ほとんどの会社では譲渡制限規定を設けていると思いますが、会社を守るためにも今一度定款の確認をしておくことをお勧めします。中には、定款が見つからないという会社もあるかもしれません。早期に整備するようお勧めします。