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相続で揉める家族の特徴8選

被相続人が亡くなると、被相続人の遺産は、被相続人の配偶者や子どもなどの相続人に相続されます。その際に、遺産の分割方法や相続割合などをめぐって相続人同士で争いが生じることも少なくありません。

相続争いというと高額な遺産がある家庭を想像する方も多いかもしれません。しかし、実際の相続争いの事案は、遺産額の多寡にかかわらず、すべての家庭において生じる可能性があります。

今回は、相続で揉める家族の特徴について、わかりやすく解説します。

1.相続でもめる割合

「相続で揉める家族は裕福な家庭」というイメージを持っている方も多いと思います。しかし、実際には、遺産の多寡にかかわらずトラブルが発生しているのが実情です。

裁判所が公表している司法統計によると、令和4年に裁判所の遺産分割事件として扱われた件数は、12,981件でした。令和4年の死亡者数は、1568,961人で、約1%の相続事案が家庭裁判所に持ち込まれていることがわかります。家庭裁判所の調停・審判は、相続人同士の話し合いでは解決できない問題、すなわち何らかのトラブルが生じた事案が対象となっており、相続で揉める割合は、全体の約1%だといえるでしょう。

また、同じく司法統計によると、令和4年に成立した遺産分割調停は、6,857件でしたが、そのうち、遺産総額が1,000万円以下の事件数が2,296件、5,000万円以下の事件数が2,935件であり、これらを合わせると全体の約76%を占めることがわかります。つまり、ごく普通の家庭でも、相続で揉めた家族が家庭裁判所の手続きを利用していると言えるでしょう。

【出典】「令和4年司法統計年報 3家事編」|裁判所

2.相続でもめる家族の特徴

相続でもめる家族には、以下のような特徴があります。

2-1.遺言書の内容が不平等

被相続人が遺言書を作成しており、その内容が相続人にとって不平等なものであった場合には、相続でもめる原因になります。

たとえば、特定の相続人にすべての遺産を相続させる旨の遺言書も法律上は有効です。しかし、他の相続人の遺留分を侵害することになり、遺留分侵害額請求を受けるリスクが高くなるでしょう。また、不平等な内容の遺言書については、被相続人の遺言能力や、方式違反などを争って、遺言の無効を主張される可能性もあります。

2-2.相続人同士の仲が悪い・疎遠

遺言書がない場合には、遺産相続をするにあたって、相続人による遺産分割協議を行う必要があります。

しかし、相続人同士の仲が悪い場合や、疎遠だった場合には、お互いの意見が合わずもめる原因になりかねません。感情的になり喧嘩になると相続人同士の話し合いでは解決することが難しいでしょう。

2-3.遺産が実家のみ

相続財産が実家の土地と建物だけの場合は、誰が実家を相続するかでもめることがあります。

また、実家を取得する相続人が決まったとしても、代償金を支払う能力がなければ、他の相続人との間で不公平な結果になってしまいます

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2-4.遺産に不動産がある

遺産に不動産が含まれている相続は、現金や預貯金だけの相続よりも、もめる可能性が高くなります。

不動産は、現金や預貯金のように法定相続分で分けることが難く、また、不動産の相続を希望する相続人が複数いると意見の対立によりトラブルが生じてしまいます。

さらに、不動産の評価方法には、さまざまな手段があり、どの評価方法を採用するかで不動産の評価額が大きく異なってきます。そのため、評価方法をめぐって相続人同士でもめることもあります。

2-5.介護の負担が偏っている

特定の相続人が被相続人の介護を行っていたケースでは、法定相続分どおりの遺産分割では、介護を担っていた相続人に不満が出る可能性があり、このような事案を解消するために、法律は、寄与分という制度を用意しています。

被相続人の介護を行っていた相続人は、寄与分を主張することにより、法定相続分よりも多く遺産を相続することができます。しかし、寄与分を認めるか否か、認めるとすれば、どの程度認めるかなどでもめるケースが多くなります

2-6.高額な生前贈与がある

被相続人の生前に、被相続人から高額な生前贈与を受けた相続人がいると、他の相続人との間で不公平が生じます。この場合には、特別受益の持ち戻しをすることで、公平な遺産分割を実現することができます。

しかし、過去の生前贈与は、客観的な証拠が残っていないこともあり、特別受益を認めるかどうかでもめることがあります

2-7.被相続人が事業をしていた

被相続人が事業をしていた場合には、誰が事業を引き継ぐのかでもめることがあります。

また、事業者の相続は、非事業者の相続と比べて相続財産の内容が複雑になり、相続人同士で衝突が生じやすくなります。さらに、事業をするにあたって被相続人が借り入れをしていると、負債をどのように処理するのかでももめることになりかねません。

2-8.被相続人の財産管理を特定の相続人が行っていた

特定の相続人が被相続人の財産管理を行っていると、遺産の使い込みを疑われるケースもあります。遺産である預貯金から不明瞭な出金があると、他の相続人からは、「使い込んだ遺産を返還しろ」と言われ、裁判にまで発展しかねません。

遺産の使い込みが解決しなければ、遺産分割協議が始められず、争いが長期化する原因となります。

3.相続でもめないための対策

相続でもめないようにするためにも、以下のような対策を検討しましょう。

3-1.生前から推定相続人全員との話し合い

遺産相続に関するトラブルは、相続人同士や被相続人と相続人との間のコミュニケーション不足により生じることが多くなります。

たとえば、不公平な内容の遺言書を残す場合でも、生前にそのような遺言書を作成する理由などを推定相続人全員に話して理解してもらえれば、相続人同士でトラブルになる可能性を低くすることができます。また、財産の管理方法や介護の分担なども相続人同士でしっかりと話し合っておけば、不公平感も解消されるはずです。

家族が集まる年末年始などを利用して、遺産相続に関する話し合いを始めてみるとよいでしょう。

3-2.遺言書を残す

遺言書がある場合には、基本的には、遺言内容に従って遺産を分けることになり、相続人全員による遺産分割協議を省略することができます。遺言書を作成すれば、遺言者の希望どおりの遺産分割を実現できるとともに、遺産分割協議の際に生じるトラブルを回避する効果が期待できます。

ただし、遺言書の形式や内容によって、遺言が無効になってしまったり、遺留分をめぐる争いが生じるおそれもあります。そのため、遺言書を作成する際には、専門家である弁護士に相談しながら進めていくことをおすすめします。

3-3.後見制度の利用

認知症になってしまうと本人は、契約などの法律を行うことができないため、適切に財産管理を行うことができません。代わりにご家族が財産管理するとしても、財産の使い込みのリスクが生じてしまいます。

このような場合には、後見制度を利用することで、適切な方法により財産を管理することが可能です。裁判所の監督下で後見人による財産管理が行われることで、財産の使い込みのリスクも最小限に抑えることができます。

本人が元気なうちであれば、任意後見制度を利用することで、信頼できる第三者に将来の財産管理を託することも可能です。

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3-4.家族信託の利用

遺言書の代わりに家族信託を利用することで相続争いを回避できる可能性があります。

たとえば、信託契約により父親から長男に不動産を管理する権利を移しておき、父親が亡くなったときに受益権(家賃を受け取る権利など)を母親に相続させることで、父親が亡くなった後も母親が不自由なく生活することが可能です。

家族信託の利用方法は、ほかにもさまざまなものがあります。一度専門家に相談してみるとよいでしょう。

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3-5.相続が発生する前に専門家に相談

相続に関するトラブルを回避するには専門家である弁護士のアドバイスやサポートが必要になります。相続争いが生じてからでは、解決するまでに長期間要することも少なくありません。相続争いが生じる前に弁護士に相談すべきでしょう。

まとめ

相続でもめる原因には、さまざまなものがあります。相続争いは、遺産の多寡にかかわらずすべての家庭で生じる可能性のある問題です。このような相続争いは、事前にしっかりと対策を講じることによって回避することもできます。早めに弁護士に相談することが大切です。

当事務所は、弁護士法人などとともにUグループを形成しており、相続争いについても、ワンストップで対応することができます。

また、相続が争いになっても、遺産分割ができないことを理由に、相続税申告や納税を延長することはできません。相続争いを含め、相続税についても、安心してご相談ください。

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