公開日:2021.07.21

【2021年版】東京都の正社員転換の助成金、最大70万円

社員 キャリア

パートやアルバイト、派遣社員などの非正規雇用労働者を正社員などの正規雇用労働者にキャリアアップした場合には、厚生労働省が行うキャリアアップ助成金を受け取ることができます。それに加え、申請を行う事業者が東京都にある場合は、東京都の正社員への転換助成金を追加で受給することが可能です。この制度は最大で70万円受け取ることができる返済不要の助成金になります。

ここでは「東京都の正社員への転換助成金」の概要と手続き方法についてご紹介します。

1.東京都の正社員転換の助成金とは?

東京都の正社員転換助成金の正式名称は「東京都正規雇用等転換安定化支援助成金」と言い、東京都独自の助成金になります。厚生労働省のキャリアアップ助成金のうち「正社員コース」の支給決定を受けた事業者が受給することができます

つまり、東京都で正社員への転換を行った事業者は「キャリアアップ助成金」と「東京都正規雇用等転換安定化支援助成金」2つの助成金を受給することができます。

【参考記事】キャリアアップ助成金(正社員化コース)を確実にもらうための方法

1-1.助成金の概要と目的

東京都正規雇用等転換安定化支援助成金は、非正規雇用労働者から正規雇用労働者へ転換した労働者が安心して働き続けることを目的とした東京都独自の助成金です。転換した労働者の適正な育成や退職金制度の整備など、労働環境整備を行った中小企業が受給することができます。

※この助成金制度はここ数年毎年行われている助成金プログラムですが、年度によって実施の有無や内容が変更になる可能性がありますので、最新の情報を確認しましょう。

1-2.キャリアアップ助成金の正社員化コースの支給決定が必須

東京都正規雇用等転換安定化支援助成金は、キャリアアップ助成金と連動した助成金です。そのため、東京都正規雇用等転換安定化支援助成金を単独で申し込むことはできません。申請を行うには、最初にキャリアアップ助成金の申請を行い、支給決定を受けてから東京都正規雇用等転換安定化支援助成金の申請を行う手順になります

1-3.指導育成が必要

助成金を受給するためには、対象になる正規雇用労働者への指導育成が必要になります。3か月の支援期間中に対象者への指導育成計画(3年間)を策定し、実際に指導育成者(メンター)から指導を受けなければなりません

2.助成金の支給要件と支給額

助成金の支給要件には「①対象となる事業主」「②対象となる労働者」「③支援事業の実施」の3つに加え「退職金制度整備加算」があります。対象となる主な要件は次の通りです。

2-1.①対象となる事業主

  • 中小企業等であること
    助成金の受給は中小企業等であることが大前提になります。ここで言う中小企業等とは、キャリアアップ助成金の申請で用いられる中小企業等の定義と同一のものになります。主たる業種によって中小企業等に該当する資本金等の額と労働者数が異なります。
    (例:小売業(飲食店を含む)は資本金等の額5,000万円以下、または常時雇用する労働者の数が50人以下の場合が中小企業等に該当します。)
  • 東京労働局管内に雇用保険適用事業所があること
  • 平成30年4月1日以降に東京労働局長からキャリアアップ助成金(正社員化コース)の支給決定を受けていること

2-2.②対象となる労働者

  • キャリアアップ助成金(正社員化コース)の対象になった労働者であること
  • 平成30年4月1日以降に東京都内事務所において正規雇用労働者へ転換等された労働者であること
  • 支援期間(3か月)終了日において、正規雇用労働者の状態が継続しており、都内で継続して勤務していること

2-3.③支援事業の実施

助成金の支給を受けるためには、次の支援事業の対象となる労働者へ支援期間(3か月間)の間に行わなければなりません。

  • 3年間の指導育成計画の策定
  • 指導育成者(メンター)の選任及びメンターによる3回・3日以上の指導
  • 指導育成計画に基づく研修の実施

2-4.退職金制度整備加算

助成金支給の要件ではありませんが、次のいずれかの方法により退職金制度の整備を行うことで助成金の額に10万円加算されます。

  • 新たに退職金制度を整備し、規程を労働基準監督署へ届出する
  • 新たに「中退共制度」に事業主として加入する

2-5.助成金の支給額

助成金の支給額は対象労働者の人数に応じて異なります。

対象労働者の人数 助成金の支給額
1人 20万円
2人 40万円
3人以上 60万円

助成金の申請は、1事業所あたり年間で3回が上限となり、交付上限額は年間60万円となります。

ただし、退職金制度整備加算がある場合は、上記の支給額に10万円が加算されます。(既に退職金制度が定められている場合や中退共制度に加入している場合は対象になりません。)

3.申請方法と必要書類

東京都正規雇用等転換安定化支援助成金の手続きは、次の手順によって行います。

東京都 正社員転換 助成金

(出典:TOKYOはたらくネット
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/seiki-koyo/kigyou/anteika/

3-1.助成金の申請期間

令和3年度の助成金の申請期間は第1回から第5回まで用意されており、各回によって支援期間と実績報告受付期間が設定されています。各回には予定事業所数が設定されており、事業所数が定員に達した場合は、次回の申請期間に回されることがありますので、早めの申請をおすすめします。

東京都 正社員転換 助成金

(出典:TOKYOはたらくネット
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/seiki-koyo/kigyou/anteika/

3-2.申請方法と必要書類

助成金の申請方法は、事業実施計画書兼交付申請書と添付書類を東京都正規雇用化推進窓口へ原則郵送にて行います。配達記録が残る簡易書留などで郵送しましょう。

事業実施計画書兼交付申請書と添付書類のうち主なものは次の通りです。

  • 東京都様式第1号と東京都様式第1号内訳、誓約書(東京都様式第2号)(東京都ホームページよりダウンロード)
  • キャリアアップ助成金(正社員化コース)支給申請書の写し(ハローワークの受理印があるもの)
  • キャリアアップ助成金(正社員コース)支給決定通知書の写し
  • 印鑑証明書、納税証明書、法人登記簿謄本など

4.指導育成計画の立案と実施

助成金の申請を行い、審査に通過して交付決定通知が行われた後は、3か月間の支援期間に対象労働者への指導育成計画の立案と実施(支援事業)を行わなければなりません。支援事業は次の流れで行います。

4-1.支援事業の流れ

支援事業は3つのパートに分けて行われます。
それぞれのパートで必要な書類の画像も紹介します。

①指導育成計画書(様式6号別紙1)の策定

助成金の対象になる労働者の育成のための計画書を作成します。所属長が対象者と面談を行い、3年後の到達目標や今後のキャリアプランについて話し合います。1年目、2年目、3年目ごとの具体的な数字を記載した取組目標と育成方法を記載します。
指導育成計画書は、支援期間開始後1か月以内に作成しなければなりません。

東京都 正社員転換 助成金

東京都 正社員転換 助成金

②メンターの選任・指導報告書(様式6号別紙2)の策定

支援期間開始後2週間を目途に指導育成者(メンター)の選任を行います。対象労働者1人につき1人のメンターの選任が必要です。対象労働者の上司や先輩がメンターとして想定されており、OJT(現任訓練)によるアドバイスができる人である必要があります。

メンターには特別な資格は必要ありません。メンターから対象労働者への指導は対象労働者の出勤日に合わせて実施することになります。3か月の支援期間中に少なくとも3回以上(3日以上)実施しなければなりません。

指導報告書には、指導の目標や内容、目標達成の評価など具体的なことを記載し、最終指導日以降(支援期間中)の日付で対象労働者が署名を行わなければなりません。

東京都 正社員転換 助成金

③研修の実施、研修実施報告書の作成

支援期間中には対象労働者に対して外部研修または社内研修(2時間以上)が必要です。研修は、指導育成計画書に記載した内容を習得するためにOFF-JT(職場外研修)で行います。

・外部研修の例
資格取得のための講座やセミナーなどが該当します。また、長期間の研修であっても支援期間内に受講日があれば認められます。

・社内研修
資格取得や技術を取得するための講習会や勉強会を社内で行うケースが該当します。eラーニングやWeb会議によるオンライン研修も認められていますが、ただ視聴するだけの研修は認められません。質疑応答ができる環境が必要になります。

研修実施後に研修実施報告書を対象者1人につき1枚作成します。研修実施報告書には、研修受講の内容や講師などを記載し、研修のパンフレットなど研修の内容を証明する書類の添付が必要です。

東京都 正社員転換 助成金

4-2.注意点

指導育成計画の立案と実施を行ううえで注意する点がいくつかありますのでご紹介します。

注意点①対象労働者の出勤日に行うこと

指導や研修は対象労働者の出勤日に行うこととされています。対象労働者が休業中に指導・研修を行った場合は、その支援事業は対象外になります。支援期間3か月分の出勤簿またはタイムカードの写しを提出しなければならず、指導・研修日と出勤日が対応しているかチェックされます。

注意点②eラーニングは双方向の研修でなければならない

研修をeラーニング等のオンラインで行う場合、質疑応答ができる環境でなければなりません。動画を視聴するだけの研修などは対象外になりますので注意しましょう。

注意点③支援期間の全てを休業している場合は対象外

3か月の支援期間の全てを対象労働者が休業している場合は、支援事業の対象外となり、助成金の要件を満たしません。

まとめ

今回は「東京都正規雇用等転換安定化支援助成金」をご紹介しました。
この助成金はキャリアップ助成金(正社員化コース)と連動しており、重複して助成金を受給できるお得な制度です。東京都に事業所を構えており、非正規雇用労働者を正社員などの正規雇用労働者へキャリアアップさせる際には、ぜひ検討してみましょう。

なお、この助成金の申請や実績報告では多くの書類を準備しなければなりません。お困りの際には、助成金申請実績が豊富な当会計事務所までお気軽にご相談ください。

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