株券発行会社から株券不発行会社に変更しよう!
皆さんの会社は株券を発行していますか?
平成18年以降設立の会社は株券不発行になっていると思いますが、それ以前に設立された会社は株券発行が原則でしたので、現在もそのまま株券を発行することになっているのではないでしょうか。
残念ながら会社法が変わっても、自動的に株券発行会社が株券不発行会社になるわけではありません。株券を不発行にするのであれば、定款変更をして登記手続きをしなくてはなりません。しかし、登記費用もかかるし、大きな影響がないのでそのままといった例が少なくありません。
ところで、株券発行会社が株券を発行しないでいる場合に問題なのが、株式を贈与、譲渡した場合の取りあつかいです。
株券発行会社の株式の譲渡については、会社法に定めがあります。
第128条 株券発行会社の株式の譲渡は、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。
と定められています。株券の交付がなければ有効な取引とされないということになります。
気になるのは中小企業の事業承継対策の一環として株式の贈与が行われることです。株券発行会社のままですと、その贈与は株券交付がなく有効ではない。相続発生時に、「その贈与は無効だから当該株式は相続財産である」とされかねません。
このようなリスクを回避するためには、定款、謄本を再確認して株券発行会社になっていたら、株券不発行会社への変更を急いだほうがいいと思われます。
ちなみに、株券発行会社であるにもかかわらず、株券を発行していない会社が株券を廃止するときには1か月弱の期間と登記費用、公告費用等が生じます。