事業承継における納税資金の確保

法人の事業承継において自社株の評価が高く納税資金がないという場合が少なくありません。
事業承継において「納税資金の確保」は極めて重要です。
特に、自社株の評価額が高額で相続税・贈与税が数千万円単位で発生することもあります。

そこで、納税資金を確保するための具体的な方法を整理したいと思います。

1. 生命保険の活用・・・経営者を被保険者とした保険に加入し死亡時に相続人に保険金を支払う。
2. 個人資産の準備・・・現預金や金融資産で納税資金を事前に確保しておく。
3. 物納・・・・・・・・金銭で納税できない場合、土地や有価証券等を納税に充てる。国税庁の条件が厳しい。
4. 延納・・・・・・・・納税資金が一括で用意できない場合最大20年で納税可能。担保提供が必要。
5. 自社株の売却・・・・他の株主や会社へ持分を売却して納税資金を確保。中小企業の株式流動性が低い場合は困難。
6. 不動産等の売却・・・売却損や譲渡所得税が生じる可能性あり。
7. 退職金支給・・・・・経営者退任時に退職金を支給しそれを納税資金とする。
8. 事業承継税制の活用・自社株に係る相続税・贈与税の納税が猶予される制度。途中取り消し等のリスクあり
9. 相続時精算課税・・・自社株の評価が低いうちに行えば税負担軽減にもつながる

これらの方法を検討することになりますが、最優先は自社株の評価になります。
自社の株式の現在の相続税評価を行い、今後の株価予測をしてみましょう。
そのうえで、承継者や相続人との話し合いが優先されることになります。