相続税申告が不要なケース、必要なケースについてご紹介
相続税申告は、相続が発生した方のすべてが行わなければならないわけではありません。申告しなくても良い場合もあります。 …[続きを読む]
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「相続税申告は税理士にお願いするもの」というイメージが強いかもしれません。
しかし、相続税に限らず税金の申告は、納税者自身が行うことが基本であり、それが難しい場合や、専門家の知識が必要と判断した方が、税理士に依頼するのが本来のあり方です。
ただ、相続税の申告は法人税や所得税に比べて専門性が高く、ご自分の判断のみで行うことが難しいことが多々あります。
今回は、相続税申告をご自分で行う方法と、自分で行えるケースと税理士に依頼した方が良いケースを具体的にご紹介いたします。
相続税申告は、相続または遺贈により一定額以上の被相続人の遺産を取得したことで、相続税が発生する人が行います。
ただし、相続税が発生しない場合でも、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例など相続税申告が適用要件となっている制度を利用する際には申告が必要です。
申告期限は相続開始日(被相続人の死亡日)の翌日から10ヶ月で、相続税の納付期限も同日です。
なお、特例や控除を適用したために相続税が発生しない場合であっても、申告が必要なケースについては、以下の関連記事をご参照ください。
法定相続人の該当者や、相続財産の名称・金額を確認します。ここでの確認漏れは相続税額に大きく影響します。
このとき、借金など被相続人の債務についても併せて調査します。債務は、相続税の課税財産の額から控除できるため、とても重要だからです。
主な財産の確認方法は以下の通りです。
財産の種類 | 調査方法 |
---|---|
預貯金・有価証券など | 被相続人の通帳や被相続人宛ての郵便物、電子メールから金融機関に照会 |
土地・建物 | 登記権利書や固定資産課税台帳などから確認 |
自動車・船舶など | 権利証や課税状況の確認 |
借金 | 借用書や金銭消費貸借契約書等の書類や貸金業者からの郵便物などを確認 信用情報機関への借金の開示請求 |
申告書の用紙は税務署で貰うことができる他、以下の国税庁ホームページからダウンロードすることも可能です。
生前から相続税がかかる可能性が高いことが税務署に把握されていた人は、相続発生後に税務署から申告書用紙が送られてくることもあります。
【参考サイト】「相続税の申告書等の様式一覧(令和6年分用)」|国税庁
不動産の登記事項証明書など財産評価を行うために必要な書類や、住民票、印鑑証明などの申告書の添付書類を収集します。
効率よく収集できるように、前もって必要書類を確認してリストアップしておくと良いでしょう。
財産の評価方法については、財産の種類によって細かく規定されており、その規定に従って評価しなければ、過大・過小評価の原因となってしまいます。
相続税申告書に記入していきます。
申告書の用紙を入手する際には、税務署から申告書作成の手引きが貰えます。手引きが分かりにくければ、申告書の書き方を指南する市販の本や、インターネットを利用すると良いでしょう。
また税務署では申告書作成についての相談を無料で受け付けており、相続に関する書類一式を持って行けば、税務署職員に聞きながら作成することもできます。
【参考サイト】相続税の申告のしかた(令和7年分用)|税務署
申告書は、被相続人の死亡時の住所地を管轄する税務署長に提出し、納税は、税務署、金融機関、郵便局の窓口で行うことができます。
相続税の納税額が1,000万円未満の場合には、「国税クレジットカードお支払いサイト」でクレジットカード払うこともできます。また、納付額が30万円以下の場合には、事前に「バーコード付き納付書」を税務署に発行してもらうことでコンビニ払いも可能です。
税金は原則として現金一括納付ですが、特別な事情がある場合には延納や物納という選択肢もあります。必要な場合には、税務署に相談してみることもできます。
相続税振興を自分自身で行うメリットに、税理士報酬が発生しないことが挙げられます。
相続税申告にかかる税理士報酬の目安は、遺産総額の0.5~1%といわれており、多くの税理士がこの範囲内で報酬を設定しています。
遺産が1億円ある場合には100万円程度の税理士報酬がかかるということになります。自分で申告を行えばこれが0円で済むということですから、大きな節約になります。
相続税申告を自分で行う場合には、書類の収集をはじめとして、財産評価から相続税計算まで、ほとんどをご自分で調べながら慎重に行うことになります。
相続税を計算する過程では、財産評価や様々な特例制度など、判断や計算が難しいことがあり、財産評価を高い金額にしてしまった場合や、適用できたはずの特例を適用しなかった場合には、本来より高い相続税を支払ってしまう可能性があります。
こうした場合に税理士に依頼すると、相続税を正確に算出してもらえる他、節税効果も得られます。税理士への依頼は、単に申告書作成のためだけにするものではありません。
相続税の申告書には代行をした税理士の署名欄があります。ご自分で作成した申告書ではここが空欄になり、税務署には税理士を通していない申告書であることがすぐに分かります。
相続税の専門知識のない方が作成した申告書は、どうしても誤りを含む可能性が高くなり、調査対象となりやすくなります。
次のようなケースに該当すれば、相続税申告の難易度がさほど高くなく、ご自分で申告することができます。
現預金はその金額がそのまま相続税評価額となります。そのため、申告の難易度は高くありません。
現預金が遺産の大半を占めていれば、現預金以外の財産評価を誤ったとしても、課税される遺産に大きな差額が生じることはなく、リスクも小さくなります。
財産評価の中で、群を抜いて複雑な計算が必要になるのは土地です。
遺産に土地が含まれていなければ、申告書作成の難易度も低くなります。
相続税は遺産の金額に対してかかる税金です。したがって、遺産が多ければ多いほど税率は高くなり、相続税も比例して多くなります。
遺産が5,000万円程度であれば、適用される相続税率は10~20%となり相続税もそれほど大きくならず、追徴課税のリスクも小さいです。
遺産に土地があると、その形状や周辺の状況などを相続税評価に反映させる必要があるため算出が難しく、税理士であっても相続税に精通していなければ、二の足を踏んでしまいます。
また、ご自分で土地を評価しようとすると、土地は他の財産に比べて高額であることが多いため、計算を誤ると、本来支払うべき納税額を大きく超えた税金を支払ってしまったり、反対に追徴課税の額が高額になってしまう可能性があります。相続財産に土地が複数あると、ご相続税評価に時間がかかってしまい、申告期限に間に合わない可能性もあります。
相続税に通じた税理士であれば、このようなピンチが発生しても、対応できる知識を持っています。
遺産が1億を超えると、相続税は計算のし方によって100万円単位で変動してしまい、ミスがあると追徴課税も大きな金額になってしまいます。
遺産が多い相続人ほど、税理士に依頼した方がいいかと思います。
年度 | 所得税 | 相続税 |
---|---|---|
2019年 | 20.60% | 85.70% |
2020年 | 21.10% | 86.10% |
2021年 | 21.00% | 86.10% |
2022年 | 20.40% | 85.90% |
2023年 | 20.40% | 86.30% |
【出典】「令和5事務年度国税庁実績評価書」「実績目標(大)3(税理士業務の適正な運営の確保)」156頁|財務省
上記は、申告に税理士が関与した割合を示しています。2023年に所得税では、80%近くの方がご自分で申告している一方、相続税では、わずか13.7%の方がご自分で申告しており、86.3%もの方が税理士を通して申告しています。
所得税は毎年申告しなければならない人が多い反面、相続税は一生に何度も申告する必要がないことを考慮しても、この差は歴然としています。この事実からもお分かりの通り、相続税をご自分で申告することには、困難が伴います。
上原会計事務所は、相続税申告の経験・実績が豊富な税理士事務所です。もし、相続税申告でお困りの方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。
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