公開日:2021.06.28

融資を通すための事業計画書の書き方

事業計画書

起業や新規事業を始める時に設備投資費用や運転資金が必要です。資金を捻出するために金融機関からの融資を受けることが一般的ですが「なかなか融資審査に通らない」という方や「融資審査に通らなかったらどうしよう」と心配の方も少なくないのではないでしょうか。

融資審査に通るためには、ポイントを押さえた事業計画書の作成が必要です。ここでは「融資を通すための事業計画書の書き方」についてご紹介します。

1.事業計画書とは

事業計画書とは、新たに始める事業の方向性や目標、事業戦略、予測される業績などを網羅的に記載した計画書です。金融機関や投資をしてくれる方が事業計画書を読み、新規事業のイメージや成長性を予測し、融資や投資を実行するかどうかの判断を行うため、事業の命運を握る書類と言っても過言ではありません。

1-1.事業計画書作成の目的

事業計画書を作成する主な目的は大きく分類して2つあります。

①イメージを具体化するため

事業計画書を作成することで頭の中で考えている新規事業のイメージを具体的にすることができます。また、事業計画書を作成する過程で改善できる点や新しいアイデアが浮かんでくることもあります。事業計画書を作成することは、思い描いている新規事業のアイデアを整理し、客観的に見つめなおすことに役立ちます

②第三者に伝えるため

事業計画書は新規事業のイメージを具体的にするだけではなく「自分がどのような事業を行いたいのか」を第三者に伝えることができます。金融機関などに資金を提供する価値のあるビジネスであることをアピールすることで協力を得ることができるでしょう。また、事業計画書は取引先や従業員へ新規事業の魅力を伝えて信頼を得るために必要不可欠です。

2.事業計画書のポイント

事業計画書の作成に厳密なルールがあるわけではありませんが、第三者に事業の内容を効果的に伝えるための必要なポイントがいくつかあります。

①誰が見ても分かりやすいこと

誰が見ても分かるような事業計画書を作成することが重要です。分かりやすい事業計画書にするためには事業計画の構成を見やすく工夫するといいでしょう。創業の動機や事業内容などの事業の全体構想を記載し、資金計画から収支計画までスムーズに読むことができる構成にすると読み手が理解しやすく、事業への関心が高まります。

②現実性があること

経営者の頭の中で思い描いている新規事業のイメージが現実的に可能なレベルにまで落とし込むことがポイントになります。現実的に可能な売上高などを予測し、その数字の根拠を示すことで現実性の高い事業計画書を作成することができます。

③優位性があること

同業他社、ターゲット層が同じ異業種と比べて、どのような競合優位性があるのかを説明することで他社との差別化を図ることができます。自社製品やサービスが特化しているポイントを記載し、優位性があることをアピールしましょう。

④収益性が十分であること

新規事業の内容も大切ですが、しっかりとした収益性が確保できることを説明することが必要です。資金を提供する金融機関にとって「ちゃんと資金が回収できるのかどうか」ということは融資審査で重要視されます。現実性がある収益計画とその数字の根拠を提示し、金融機関へ貸し倒れのリスクがないことを理解してもらいましょう。

⑤将来性・成長性があること

新事業の将来性や成長性が見込まれることを説明することで「今だけではなく、今後も成長していく事業」だということをアピールしましょう。将来性や成長性をアピールするためには、新規事業の内容だけではなく、業界全体の市場環境を分析して今後の予測を立てていくことが重要です。競合他社を分析して表やグラフで視覚的にわかりやすく説明するといいでしょう。

3.事業計画書の内容

事業計画書のポイントを見てきましたが、どのような構成でどのような内容を記載すればいいのでしょうか。事業計画書の構成は

  • 全体の枠組み
  • 自社製品やサービスと成長戦略
  • 資金計画と収支計画

の3つに区分して記載することでまとまりのある事業計画書を作成することができます。ここでは構成についてご紹介し、次章で具体的な項目をご紹介します。

3-1.全体の枠組み

全体の枠組みでは、新事業を立ち上げるに至った経緯や動機、事業内容、対象の市場分析について記載します。全体の流れを説明することで、市場規模や競合相手、市場の成長性といった新事業が置かれる市場環境を理解することができます。

3-2.自社製品やサービスと成長戦略

新事業の市場環境を分析した後は、その市場で自社の製品やサービスが競合他社と比べて優位なのかを説明するために、自社製品やサービスの内容、新事業における課題、事業目標などを記載します。ここでは現実性がある具体的な課題の対策や事業目標を記載するようにしましょう。また、中長期的にどのようなビジョンで成長戦略を行っていくかまで記載することで、事業計画書により説得力が出てきます。

3-3.資金計画と収支計画

新事業に必要になる設備投資資金や運転資金を項目ごとに整理して記載します。そのうち自己資金で賄える額と金融機関からの借入れが必要な額を明確に記載しましょう。そして、新事業開始後に想定される収支計画を具体的に記載します。現実性がある資金計画と収支計画にするために、根拠となる見積書や同業他社の資料などを用いる必要があります。

4.事業計画書の詳細項目

ここでは、事業計画書の具体的な記載事項についてご紹介します。

基本情報

会社の基本情報を読み手に伝えることが最初のステップです。会社名、業種、代表者氏名や経歴、会社の住所、設立年月日、資本金、従業員数などの情報を記載します。

事業プランの名称

事業計画書での事業プランの名称は「看板」になります。どんな事業を行おうとしているのかが伝わる名称を付けましょう。魅力的かつ簡潔に事業内容を表すことができる名称がベストです。

事業内容、コンセプト

「どのような商品やサービス」を展開し「どの市場」で「誰をターゲット」にするのかをできるだけ明確かつ端的に記載します。また、商品やサービスのコンセプトを説明し「ユーザーにとってどんなメリットがあるのか」まで想定して記載すると分かりやすくなります。

市場環境

新規事業が参入する市場についての分析を記載します。国や自治体が行っている調査や調査会社が行っている調査などに独自で調査したデータを付け加え、市場規模や市場の成長性などを分かりやすく図やグラフを使って記載するといいでしょう。

自社製品やサービスの優位性

自社製品やサービスが同業他社と比べてどのように優れているのかを分析して記載します。分析にはSWOT分析を用いて行う方法があります。強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)を項目ごとに分析し、自社の優位性や市場機会、事業課題を分析すると分かりやすくまとまります。

マーケティング戦略

新商品や事業を知ってもらうためには、マーケティング戦略が重要です。潜在・顕在ターゲットを精査し、顧客ニーズや価格設定、トレンド予測など、様々な手法を利用して最適なアピール方法を模索しましょう。

人員組織計画

商品やサービスが優れたものであっても、新事業の組織体制が良くなければ成功できません。どの部署や役割にどれだけの人数を割り当て、誰が指揮命令系統になるのかなど、詳細な役職を決めていきましょう。

スケジュール

新規事業を立ち上げるためには時間がかかります。「誰が、何の手続きを、いつまでに終わらせるのか」のスケジュールをしっかり組み、予定通りに実行していくことが重要です。

資金繰り計画

資金繰り計画では「何にいくら必要か」を簡潔に分かりやすく説明しましょう。設備投資にどのくらい必要で、ランニングコストがどれくらいかかるのかを記載し、自己資金で賄える金額と借入れにより賄う金額を明確にします。

設備投資については業者からの見積書を参考に記載します。ランニングコストは収益計画書と整合性がとれているか確認しましょう。

収益計画

新事業の予測損益計算書を作成します。予測される売上高や売上原価、経費などを少なくとも今後3年間分を作成しましょう。新事業からどれくらいの収入を得ることができ、経費がどれくらい発生して利益がいくら出るのかを明確にしましょう。

融資の返済は利益の中から返済することになるため、融資の返済計画書との整合性をチェックしておきましょう。金融機関としては、収益性が低い事業は融資の返済が滞ってしまう可能性があるため敬遠されます。現実性のある金額を設定し、収益性をアピールしましょう。

4-1.初めはフォーマットとおりに作成してみましょう

ここまで具体的な事業計画書の記載項目をご紹介してきましたが、事業計画書を初めて作成する場合は、なかなか完成した事業計画書をイメージすることが難しいと思います。そういった際は、実際の事業計画書を参考にすることでよりイメージが固まってくるのではないでしょうか。政府系金融機関である日本政策金融公庫のホームページでは各事業別で「創業計画書の記入例」が公開されていますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

【参照】日本政策金融公庫ホームページ
https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html

まとめ

今回は「融資を通すための事業計画書の書き方」についてご紹介しました。融資審査では事業計画書をもとに融資担当者へプレゼンテーションを行います。そのため、事業計画書は融資担当者の知りたいポイントが分かりやすく記載されており、現実性があるものでなければなりません。

当会計事務所では、事業計画書のサポートを行っております。事業計画書作成に実績のある当会計事務所までご相談いただければ、豊富なアドバイスが可能ですので、お気軽にご相談ください。

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