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申告を依頼すべき相続税に強い税理士とは

相続税申告は、「相続税に強い税理士」に依頼することをお勧めします。

しかし、一口に「相続税に強い税理士」と言っても、これから税理士を検討されている方には、漠然としていて想像ができないでしょう。

そこで、今回は「相続税に強い税理士」に焦点を当てて、詳しくご紹介いたします。

1.相続税申告は相続税に強い税理士に依頼すべき理由

相続税は、税理士であれば誰に依頼しても同じではありません。依頼する税理士によって納税者の負担は大きく左右されます。

まず、相続税に強い税理士に依頼した方が良い理由について簡単に触れておきます。

  • 相続税額を節税できる
  • 手続きが丁寧かつ迅速で安心できる
  • 書面添付制度を利用することで、税務調査が入る確率を下げることができる
  • 万一税務調査が入っても、対応してもらえる
  • 過少申告などによるペナルティが発生する可能性が低い

2. 相続税に強い税理士の条件

「相続税に強い税理士」というのは漠然としていています。そこで「相続に強い税理士の条件」を具体的にご紹介いたします。

これらの条件を備えている数が多ければ多いほど、相続税に強い税理士であるといえます。

2-1.相続税申告の実績が多い

その税理士がどれだけ相続税申告を経験しているかは、依頼するかどうかを判断する際に、非常に重要なポイントとなります。

税理士として相続税申告を扱って5年以上、年間10件以上の実績があれば、相続税に強い税理士と言えるでしょう。

税理士が何人も在籍しているような大手税理士事務所では、事務所全体の実績数が公表されていることが多いため、担当となる税理士個人の実績数を確認することも必要です。

2-2.不動産の現地調査に強い

相続財産に不動産がある場合には財産評価を行う必要があるため、登記簿や測量図などの書面を確認するだけではなく、すぐに現地調査を行う税理士は信頼できます。

現地調査に強い税理士であれば、現地調査を元に評価額を下げる方法を模索し、最大限の節税ができます。

2-3.他の士業との連携が取れている

相続が発生すると、相続税だけでなく、相続争いや相続登記など様々な問題が発生します。

相続税に強い税理士であれば、弁護士や司法書士など他士業との連携体制が整っており、必要に応じてその道の専門家を紹介してくれます。

優秀な税理士の紹介先として同様に優秀であることが多く、すべてを安心して任せることができます。

2-4.適正な報酬体系

一般的に、税理士の報酬額は、遺産総額の0.5~1%程度とされており、相場を超えるような金額にはなりません。

さらに、相続税に強い税理士であれば、年間数多くの相続税申告を行っており、サービスの範囲や報酬は明確に定められています。

なお、税理士報酬の相場については、以下のコラムをご一読ください。

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2-5.二次相続まで見据えた提案ができる

相続税は、二次相続まで見据えた遺産分割の提案を受けてこそ、最大限の節税に繋がります。

二次相続で被相続人の配偶者がお亡くなりになると、法定相続人が減るために基礎控除が減額されるうえに、配偶者控除も使えなくなるため、節税のために一次相続で配偶者控除の限度額まで利用しようと配偶者への配分を多くした遺産分割をしていると、却って一次相続と二次相続の相続税の合計額が増えてしまうことがあるからです。

したがって、相続税対策には、二次相続見据えた遺産分割が必要になるのです。

相続税に強い税理士であれば、こうしたサービスは、業務内容としてサイトなどに掲載されているのが通常です。

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2-6.相続税法の改正について十分に理解している

税法は何年も前から改正が囁かれた後に、改正・施行されるため、結果として毎年何らかの改正が行われており、税理士は常にそれを追っています。

相続税に強い税理士であればその過程すべてを熟知しており、改正に合わせて納税者にベストな選択をします。

対して、日頃相続税を扱っていない税理士に依頼すると、納税者にとって有利な特例が創設されたにも関わらず、それを知らないために適用を受けられず、相続税を多く支払うことになったなどということになり兼ねません。

2-7.税務調査への対応力がある

相続税は申告者数自体が少ないこと、申告漏れが多いこと、納税額が大きい分追徴税も大きく取れる可能性が高いことなどから、他の税目に比べて税務調査が入りやすくなっています。

相続税に強い税理士は、相談から申告まで常に税務調査を意識しています。その分、税務調査が入る可能性は低く、万が一入った場合の対策も万全です。

また相続税の税務調査にも慣れており、巧みな話術で追徴課税を回避または軽減することができます。

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3.相続税に強い税理士に依頼すべきタイミング

相続税申告を税理士に依頼するタイミングについては特に決まりはなく、相続税に強い税理士には、いつでも相談に応じます。

しかし各種手続きには期日があるものもあり、タイミングによっては不利益を被る可能性があります。

最後に税理士に依頼するタイミングはいつが良いのかをご紹介いたします。

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3-1.できるだけ早めの依頼がベスト

相続税申告についての相談は、相続が発生したら、できるだけ早く相談するのが鉄則です。

相続税開始前にする相続税対策の相談は、可能であれば相続の何年も前から相談しておくと、取れる選択肢の幅が格段に広がるため安心です。

「私の相続税大丈夫かな」と思った時が、正に相談するタイミングとお考えください。

3-2.少なくとも申告期限の3ヶ月前までには依頼

相続税申告には、税理士が膨大な資料を確認し、財産評価の計算や、相続税の計算を行わなければならず時間がかかります。

申告期限に間に合わせるためには、少なくとも期限の3ヶ月前までにはご相談いただきたいと思います。

3-3.相続放棄する場合には2ヶ月以内に依頼

相続放棄を行う場合には、相続開始から3ヶ月以内に手続きを行わなければなりません。

検討に要する時間を考慮すると、少なくとも2ヶ月以内にはご相談ください。

3-4.準確定申告が必要な場合には3ヶ月以内に依頼

被相続人が事業などを行っており相続開始の年に所得がある場合には、相続開始から4ヶ月以内に準確定申告を行わなければなりません。

したがって、期限の3ヶ月以内にはご相談ください。

3-5.相続開始後の依頼は四十九日法要後がベスト

生前の相続税対策は必要なく相続が開始してからの相談で良いという場合には、一区切りついた四十九日法要を終えてあたりで相談するのが良いタイミングかと思います。

このタイミングであればご家族の気持ちも少し落ち着かれており、申告期限はもちろんのこと、相続放棄や準確定申告の期限にも間に合わせることができます。

4.税理士への相談から相続税申告・納税までの流れ

次に、税理士への相談から相続税申告・納税までの流れについて簡単に触れておきます。

  • 初回相談
    相続財産の内容や相続人の構成などを税理士と共有し、見積書を確認

  • 相続税申告の契約を締結
    契約書を作成し、正式に相続税申告を税理士に依頼

  • 申告書作成
    不動産の現地調査などを経て税理士が申告書を作成

  • 相続税申告
    期限内に税理士が管轄税務署に相続税を申告

  • 相続税の納付
    税理士の指示に従い、相続税を現金で一括納付
    分割納付や物納が認められる場合もあり)

    5.税理士へ相続税申告を相談する際に持参すべきもの

    最後に相続税を税理士に相談する際にご持参いただきたいものをご説明します。

    以下の書類があると、相談はスムーズに進みます。また、相談のために事前予約をした際に、事務所から告げられた書類は持参するようにしましょう。

    • 被相続人の家族構成図
    • 遺言書(あれば)
    • 被相続人名義の財産の内訳をまとめた一覧((預貯金、不動産、有価証券、生命保険など)

    まとめ

    「相続税に強い税理士」とは、次に当てはまる税理士のことをいいます。

    • 相続税申告の実績が多い
    • 不動産の現地調査に強い
    • 他の士業との連携が取れている
    • 適正な報酬体系
    • 二次相続まで見据えた提案ができる
    • 相続税法の改正について十分に理解している
    • 税務調査への対応力がある

    相続税申告の相談を早めにするために、税理士探しも早めに行うことをお勧めします。

    では、相続税に強い税理士は、どうやって探せばいいのではないでしょうか?相続税に強い税理士の探し方・選び方についてお知りになりたい方は、是非、以下の関連記事をご一読ください。

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    • 相続税の額を抑えたい
    • 評価が難しい土地がある
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